ひっそりと埋もれていくことだけを持ってるような、歩く人もない道路をあがると見えてくるはず。

にぎやかだったころは、料理を作る美味しい匂いが、まわりに漂っていたことでしょう。



不要になったもののほとんどが、こういう状態になっていますが、道路も駐車場も、自然に帰ってました。

建物の屋根が、そういう思いで作られたものなのか、萱葺き屋根で、余計に同化した気がしますね。



近寄ってみると、萱葺きの屋根も、さすがに放置されてしまうと屋根の役目ができなくなるのでしょうか。

まだ、雨漏りはないように見受けられますが、それでも腐って落ちてきてるような感じです。



少し横に回りこんで、離れたところから見上げると、一番天辺あたりはもう屋根じゃなくなってます。

草の背丈も高いので、この建物ものが萱葺き屋根のこともあって、「自然」そのものに見えます。



建物に近づくと、まだまだ軒下はきれいで、人が来なくなって時間が経ってる割に荒れてません。

誰も来ないのもよかったのかもしれませんが、それはそれでとっても寂しいですね。



まず、勝手口らしい場所に出ましたが、不要になったら「すべてがゴミ」あらゆる生活必需品が散乱。

使われていたころを思い出すすべもなく、ただただ散らかっている状態でした。



日当たりのよさそうな、こちら側に玄関があるのですが、もう植物に占領されていますね。

営業中は、毎日毎日この場所を、たくさんの人が行き来していたのでしょうね。



玄関は固く閉ざされていて、もう何が書いてあるかわからないほど日焼けした表札がついています。

今も営業中なら、おそらく高級なお店でしょうから、きっと縁がなかったような気がします。



大きく、たくさん生えた草の向こう側で、いつか自然に帰ってしまう時をじっと待っている。

繰り返される人の営みの中で、翻弄されたものたちはいつでも語ることはない・・・


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